自由に走ること|西澤果穂さん

2017年の東日本女子駅伝、青森代表の5区を西澤果穂さんが走りました。
その姿を見て私は「自由に走ること」について考えさせられました。

東日本女子駅伝を走る西澤果穂さん

当時の西澤さんは、実業団を去って無所属で走り続けていました。
そしてこの駅伝の後には「駅伝はこれで引退」とSNSに投稿していました。
しかし私は、本当に楽しみなのはこれからだと感じたのです。
2017年11月に書いた記事から以下抜粋します。

自分のペースで走れる環境を手に入れ、純粋に楽しく走れるようになった時、西澤さんがどう走ることと関わっていくのか。
とはいえ、純粋に楽しく走れるようになるまでには、少し時間がかかるかも知れません。
自分のことを思い出してみても、引退後の数年間、陸上競技のテレビ中継を見ても心から応援する気持ちにはなれませんでしたし、可能な限り見ないようにしていました。
どこか諦めきれない自分がいるのです。
競技を辞める時はもちろん、その後に諦めるのにも「力」が要ります。
きっかけは様々でしょうが、そうした状況を乗り越えたとき、これまでの経験を糧として、しかもこれまでとは違うランニング観が芽生えてくると思います。
例えばマラソンを走り続けている吉田香織さん。
吉田さんは、実業団にいた頃とは全く異なるアプローチでマラソンを走っています。
吉田さんの走りからは「自由」を感じます。
でもその「自由」は、実業団時代の糧がなければ手に入れられなかったことでしょう。

自由に走るとは、何よりも自分のために走ることだろうと思います。
走ることを楽しむことはもちろん、走ることで得られる充足感は、すべて自分自身が生きる糧となるからです。
自分自身のために走ることが出来れば、他のランナーの自由を尊重することも出来る。
本当に自由なランナーは、他人の走りを批判せず、素敵な部分だけを見つけることが出来る。
そうした意味で、西澤果穂さんは誰よりも優しいランナーになると、私は信じています。

自由に走ることについて、私の考えはこの時と全く変わりません。
そして西澤さんは実業団に復帰し駅伝を走り、実業団を引退しました。
2度目の実業団で、自由に走ることの意味をはっきりと意識したのではないでしょうか。

その後短大に進学し、栄養士資格を取得した西澤さん。
今は女性ランナーの健康にどう携わっていくか模索する日が続いているようです。
西澤さんの自由は、さらに多くの人を惹きつけていくことでしょう。