新井初佳さんのフォーム|中距離への応用

かつて100mと200mで活躍した新井初佳さんのスロー動画です。
新井さんの実績については様々なサイトに記述されていますのでお調べいただけたらと思います。

新井さんの身長は157㎝。
トップ選手の中では小柄なスプリンターです。
小柄な選手が短距離を速く走るには、他の人よりもストライドを伸ばす必要がありますし、ピッチを上げることも必要になってきます。
より効率の良いフォームで走ることが求められるのです。
筋力アップは勿論必要ではありますが、その筋力トレーニングも「速く動かす」ことを重視したものとなります。

パワーよりもフォームを追求するタイプのスプリンターの多くは、柔らかい走りをすると思います。
ですから200mを得意とする選手が多いし、効率の良い動きはロングスプリントにも対応できるので、マイルリレーを走る人もいます。
新井さんがマイルを走っている姿は見た記憶はありませんが、周知のとおり200mの元日本記録保持者でした。
100mも日本記録を持っていましたが、100mよりも200mを得意としていた印象があります。

私は長年、新井さんのような柔らかいスプリントのフォームは、800mの選手にも通じるものがあると考えてきました。
スタミナを武器とする選手でも、たった2周の短い800mではやはりスプリントは必要になってきます。
しかし短いと同時に長くもあるのが800mという種目です。
800mという距離の大部分を、その選手にとって最も効率的なスプリントフォームで走らなければなりません。
極めようとすればするほど(例えば日本記録を狙うのであれば)そうなってくるはずで、ラストの切り替え、或いはスタートダッシュを仕掛ける際には、200mを本職とする選手と同等の柔らかいスプリント力が求められるでしょう。

これは日本の女子中距離選手に足りていない部分であるとも思います。
本格的な体幹トレーニングを導入することで、効率的なフォームを維持したまま走れる選手が増えてきました。
しかしその先にある「柔らかいスプリントの強化」にはまだ到達していない。
女子選手が1分台を狙うのであれば、避けては通れない道だと思います。
そうした意味でも、新井初佳さんのフォームは、現代の中距離選手にも参考になることでしょう。